南極大陸には鉱物資源が豊富に存在すると考えられていますが,陸地部分の95%以上が厚い氷に覆われていることもあり,採掘できるような大きな規模の鉱床は発見されていません。
中生代の約2億年前から1億年前まで,現在の南極大陸,インド,オーストラリア大陸,アフリカ大陸,南アメリカ大陸が合わさったゴンドワナ大陸と呼ばれる「超大陸」があったと考えられています。
ゴンドワナ大陸はその後,長い時間をかけてそれぞれの大陸に分かれました。
現在,かつてのゴンドワナ大陸を構成していた南極以外の大陸で大規模な鉱床が知られており,実際に採掘もおこなわれています。
これらの鉱床を含む地層が,南極大陸にも続いていることが知られており,南極大陸の氷床下にも同じような地下資源鉱床が確かに存在すると考えられます。
実際に海岸付近などの露岩地域ではさまざまな鉱石や鉱物が発見されています。
また,南極大陸を取り囲む大陸棚の海底には石油や天然ガス,メタンハイドレートが存在しています。
現在のところ,資源として近い将来利用できる可能性の最も高いのが南極周辺の海底にあるこれら石油や天然ガスであろうと考えられます。
ただ,1998年に発効している「環境保護に関する南極条約議定書」では,科学調査を除き,50年間は鉱物資源の採掘が禁止されています。
コメント