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朝日新聞「南極みぃつけた!」

目で楽しむ南極の自然 越冬取材で写した300カットを公開!!
 マイナス60度、まつげが凍り、厚い手袋の中で指先の感覚が消えてゆく。2003~05年に訪れた、初めての南極。1000キロ四方、誰もいない、標高3810メートルのドームふじ基地に立った。足下から深さ3千メートルまで掘った氷は、過去70万年の大気を閉じこめたタイムカプセルだった。2009~10年に再訪。“宇宙からの使者”に出会うため、天を突くような岩々がそびえるセールロンダーネ山地へ向かった。青白くきらめき、海かと見まがう氷原。ばっくりと口を開けるクレバスをよけ、肌を突き刺す風のなかをひた走る。ようやくたどりついた氷の上には、46億年前に太陽系が誕生した謎を語る隕石が転がっていた。そこでしか会えないものに会いたくて、南極で過ごした1年半あまり。見慣れていたはずの太陽、空、海、そして雪や氷がこれほどまでに表情豊かだったとは……。人を寄せ付けない厳しさと、人を惹きつけてやまない美しさを前に、何万回シャッターを切っただろう。凍てつく大気の向こうに広がっていた、生まれたままの地球。その姿を8回にわたって写真で紹介する。(朝日新聞 南極担当記者 中山由美)

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