「サスツルギ」とは,風によって作られる雪の表面の凹凸のことをいいます。
雪の表面にできる一種の風紋ですが,砂漠の風紋とは違い,尾根状に長く伸びているのが特徴です。
南極地域では風が一定方向から吹く場所が多く,このような場所では,風の卓越方向に尾根が伸びたサスツルギができます。
サスツルギの高さは数cmのものから,大きなものでは尾根の高さが1m以上にもなります。
あまりにも大きなサスツルギは,雪上車の進行を妨げることもあります。
サスツルギはもともとロシア語から来た言葉ですが,その複数形の英語表記がsastrugiもしくはzastrugiとして使用されています。
この単語sastrugiの単数形は,ドイツ語風に表記するならSastruga,ラテン語風に表記するならsastrugusです。
南極探検で有名なロバート・ファルコン・スコットやアーネスト・シャクルトンはsastrugusを好んで用いたようです。
サスツルギを日本語にすれば「氷紋」に近いかもしれませんが,日本の南極観測隊ではもっぱら「サスツルギ」を使っています。
古くは「サストルギ」という表記もよく使われたようです。
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