北極点や南極点は,地球の自転軸と地表が交差する地点です。
一方,北磁極(磁北極)や南磁極(磁南極)はほぼ方位磁石のN極,S極がそれぞれ向く方向で,北磁極や南磁極では方位磁石は東西南北のどこも向かず,地面に垂直な方向を指そうとします。
現在,南磁極は南緯64.4度,東経137.2度付近の海上にあり,毎年約10kmずつ北西に移動しています。
この場所はオーストラリアのはるか南方,南極大陸のウィルクス・ランドと呼ばれる地域の近くにあたります。
日本の南極観測船しらせは昭和基地からシドニーへの帰途,海上観測を続けながらこの南磁極付近を通ります。
南磁極付近に初めて人類が到達したのは1909年1月16日で,アーネスト・シャクルトン探検隊のエッジワース・デビッド,ダグラス・モーソン,アリスター・マッケイらでした。
当時南磁極は海から離れた大陸上にありました。
エッジワース・デビッドはシドニー大学の地質教授で,1908年には南極の活火山であるエレバス山(3794m)に初登頂して調査しています。
また,のちに南極探検の途上,シドニー近郊で露営する日本の白瀬隊をさまざまな面から援助しました。
白瀬はデビッド教授に感謝をこめて一振りの日本刀を贈っています。
この日本刀は江戸時代初期作の陸奥守包保(むつのかみかねやす)で,現在はシドニーのオーストラリア博物館に収蔵されています。
(参考外部リンク:http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/poles/polesexp-j.html)
コメント